1999年8月 日高山脈  ペテガリB沢〜キムクシュベツ
山 行 報 告 書


目 的 行かないで夏・忘れたころに沢登
目的地 ペテガリ岳 ペテガリB沢〜キムクシュ
地 図 神威岳,ペテガリ岳,コイカクシュサツナイ岳,ポンヤオロマップ岳 1/25,000
期 日 1999年 8月15日〜8月19日 行動5

メンバー
L 小河健伸 HUSV Y 農学部M1 ドロボウひげ
SL 伴 現太  HUSV X 工学部4年 うっすらひげ
Es 青山尚広 HUSV Z 理学部M2 オヤジひげ

計 画
1日目 札幌=神威山荘―ペテガリ山荘C1
2日目 C1―ペテガリ沢―BC沢出合C2
3日目 C2―ペテガリB沢―ペテガリ―BカールC3
4日目 C3―キムクシュ―下二股C4
5日目 C4―拓進下山
6〜8 停滞

装 備
共 同 夏テン、ザイルφ9mm,三ッ道具,ガス、なべ、ハンゴー、医療、無線、ノコ、ラジオ,などなど
個 人 夏沢標準

実際の行動

8/15(日) 札幌=神威山荘―ペテガリ山荘C1
 制限時速80kmの伴カーで日高街道を行く。ペテガリ林道は相変わらず立入禁止のため,神威山荘から枝沢を詰め,尾根を乗越てペテガリ山荘に入る予定である。神威林道も結構崩れていたが,山荘まで入れた。ほとんど何も知らないで連れてこられてしまった車回収係の大島君はちょっとビビっている。
 神威山荘からちょっと下って枝沢に入る。案の定人が入った形跡あり,デポ旗うちまくり。難しいところはなし。ただし荷物が重いのと,あまり快適な入山でないのでやる気が起こらず,ペースは悪い。尾根の上部はササブッシュでやっとれん。あまりの極さにリーダーは頭にまいていた手ぬぐいをなぜかなくした。下りも何も。
 A「春山であんなにかけて歩いたところが,半日で行けてしまった」
 B「まるで魔法のような入山だ」
 でもあまり美しくない入山です。ペテガリ山荘は快適。

8/16(月) C1―ペテガリ沢―BC沢出合C2
 ペテガリ橋で入渓。すぐに美しい沢様となる。F1左岸巻きだが降り口が結構微妙。なめきっていたA,Oはビビる。Bさんさすが。その後は天気もよく,気温も高いので泳ぎながら進む。楽しい。
 中の岳直登出合二股からは水流が細々としてくる。全然迫力なし。
 BC沢出合はもう源頭かと見まごうばかり。でも快適なテン場で,お天道様の下,BC沢出合はヌーディスト村と化したのでありました。

8/17(火) C2―ペテガリB沢―ペテガリPeak―BカールC3
 今日は曇天。頂上付近はガスっているが,気合いを入れて出発。
 F1から,滝とガレの連続。滝,ガレ,滝,滝,ガレ,滝…天気が悪いせいか,あまり美しくない。秦さんの記録は,写真がよすぎる。
 A氏「巨大な札的みたいだ」
 B氏「A沢の方がいいよ,こりゃ」
 結構難しい滝もある。F9,12,13,15,18,21あたりは難しい。でもほとんどBがトップで,あとはシュリンゲ垂らしてゴボウ。さすが。登りごたえは結構あった。まさしく「プレ」といった感じですね。源頭から1時間くらいブッシュを漕ぐとほとんどピークに出る。ピークで今回参加できなかった清水に電話する。
 O「もしもし,健伸です。」
 S「もしかしてペテガリピークからですか?シシシ…」
 完全に読まれていた。山から携帯なんてあまり掛けるもんでない。それでも清水から「あまりよくないみたい」という天気概況を聞いた後,とりあえずBカールへと降りていった。Bカール下降中にブヨの大群の襲撃をくらう。Bカールに着いたとたん雨が降り出した。

8/17(火) C3―キムクシュ―ヤオロマップ林道終点(上滝沢付近)C4
 昨晩の前線通過後,もうたいして雨は降らないだろうと読んでキムクシュに突入する決心をする。なかなかスリリングな沢だ。各人緊張する。
 前半は滑滝の連続。美しい。文句無し。ただ,ガスっているのが残念。次から次へと出てくる滑滝が飽きさせない。みんな笑顔。
 三股はホントに三つの流れが合流している。「ここに滝終り,函始まる」といった感じ。とりあえず一安心。
 さて,キムクシュのおいしいところはここから。いきなり出てくる8の函はめちゃめちゃ狭く,かつ長い。思わず笑ってしまう。
 A「函だ,函だ,アハハハ…」
 B「メッチャ函やんけ」
 O「函以外の何物でもない!!」
 その後,基本的に函地形。「◎の函」と名づけるのはナンセンスともいえる。ただ,5の函だけはまさしく「由緒正しい函」といった感じで気持ちいい。
 しかし,このころから函にもあきてくる。ひたすら函が続き,飛込み,泳ぎ,歩いてはまた飛込む。疲れる。Bは7の函あたりで足をくじいてしまいペースが上がらない。また,沢の最大の敵がそろそろ現れてくる。
 某「俺,パンストはいてるのにマタズレしちゃったよ」
 そうこうしているうちに12時間かけて下二股,キムクシュが終るところまで来られた。疲れた。「もう動きたくない」とのたまうA氏を無理やり動かして,林道終点まで歩いた。最終日の夜を堪能する。

8/19(火) C4―ヤオロマップ林道清水橋付近(ヒッチ成功)=帯広下山
 朝から歩くだけ。林道はついてはいるが快適ではない。やよい沢まで沢中を行った方がいいだろう。ブヨを追い払いながら美珍楼を目指して歩く。4時間歩いたところでヒッチ成功。おじさん,臭くてごめんなさい。
 かくして,危なっかしい我がパーティーも,ノンステイ完遂という見事な結果になりました。めでたしめでたし。

文責:小河 健伸

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